2018年1月18日木曜日

『カムイ伝講義』 田中優子

江戸時代は、世界史上まれにみる平和な時代で、地方民の自治もすすみ、江戸などでは庶民文化の繁栄を謳歌した時代といわれるようになったが、ではあの1970年前後のころに大ヒットした白土三平の劇画『カムイ伝』の百姓一揆の世界は何だったかということだが、
この本によると『カムイ伝』は、江戸時代初期の1600年代の大阪周辺の和泉国のある近郊農村を舞台にしたものらしい。まだ戦国浪人もあぶれていて大河川付替などの開発ラッシュの時代である。「平和な江戸」とは1700年代と1800年代初期をいうのだった。
江戸時代は、農地の年貢を除いた税制一般についてはまるで研究が進んでいないのが実情とも書かれてあった。

この本の後半は文体も全く異なり、二名の共著にすべきだったということが、後書きでほのめかされていた。
田中優子『カムイ伝講義』2008 小学館

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