2017年11月24日金曜日

『戦後史の正体』孫崎享

2012年の創元社のベストセラー。先月10月の衆議院選のころ読む。
日本の戦後政治と米国米軍との関係について、元外務省官僚の視点から叙述。
気づいたこと。

1、自民党結党時からの綱領の「改憲」とは、鳩山一郎総裁の「自主外交」とセットだったこと。自主外交とは、米軍に出ていってもらうこと、その上で防衛力を備えるための改憲のことだった。同じ憲法のまま、今の自衛隊は世界7位の軍隊になっているので、もはや、改憲は必要ないことになると思う。「自主外交」はいまだ達成されていない。

2、著者は岸内閣の再評価が必要という。著者のいう反安保デモCIA陰謀説はいかがかと思うが、日米安保条約の内容は評価すべきとしている。すなわち、安保条約での両軍の軍事行動は、日本および日本の近海において、日本が攻撃を受けたときに限られる。これは先守防衛ということだろう。さらに、両国の国会決議などが必要であり、国連軍的な行動であること。集団的自衛権を認めていないのである。それでも国民の半数以上が反対だった。

3、1のように1950年代までは米軍の撤退のスケジュールについて発言する日本の政治家は少なくなかったし、60年代のベトナム戦争にも日本は自衛隊を派兵していない。そこから離れて、対米従属に大きく舵をきったのは00年代の小泉内閣のときだと著者はいう。しかし対米従属がいつから強まったかというと、80年代の中曽根内閣のときに大きな変化があったようにも思う。

戦後72年。それにしても米軍は、100年も200年もいる気なのだろうか。