2017年11月22日水曜日

『DNAで語る日本人起源論』篠田謙一

近年この類の本が多いが、1冊とりあげるとすれば、この本になる。
女性に受け継がれるミトコンドリアDNAについては、日本人は、朝鮮半島、遼東半島、山東半島の人たちと共通項が多いという。男性に受け継がれるY染色体ハプログループについては、チベットの辺境地域の人たちという。

「東アジアからインド北東部への集団の移動です。……約6000年前に東アジア起源の集団が北インドへ進出した考古学的な証拠があります。この地域のチベット・ブータン語を話す人びとのミトコンドリアDNAやY染色体ハブログループのなかには東アジア起源のものがあるとされ」
ということなのだが、「チベット・ブータン語」とは何か? ブータンの国語である

ゾンカ語 のことかもしれない。

ブータンはインド東部に接し、南のインド側では、ヤムナー川とガンジス川の間の平野に、大穀倉地帯が広がる。

6000年前とは、最も海面が高く内陸まで浸蝕した時代(縄文海進)なので、低地に住んでいた人々の移動だったのかもしれない。
日本の米は、DNAから中国南部のものと近いらしい。日本からさらに朝鮮半島へ伝わったとする説が有力となりつつある。
(岩波書店 2015)

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